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短歌に夢中

  • 投稿者:
  • 投稿公開日:2022年2月9日
  • 投稿の最終変更日:2022年2月12日
  • 投稿カテゴリー:短歌
  • 投稿コメント:2件のコメント

 さて、Twitterなどでは短歌に夢中な様子をちょいちょい書かせていただいておりますが、今日はちょっと経緯などを書いてみようかなと思います。

短歌との出会い

 もともとは、和歌が好きだったんですよね。百人一首、万葉集、古今和歌集、新古今和歌集。古文漢文がとても得意で好きだったというのもあるんですけど、古の時代に生きた人たちの生活や恋や慟哭を切り取った歌がすごく好きでした。とはいえ、特に自分で作ってみようとは思わず。有名どころの短歌集は話の種に手に取ってみることもありましたが、読んで終わり。

 ですが、昨年の冬、15年来ゆるく繋がっていたオンラインの友人が(もうそんなにか)短歌を投稿しているのを見つけまして。それがとてもぐっときた、というのが「私も詠んでみようかな」と思ったきっかけです。最初は「一日5首作る」なんて息巻いてましたが、けっこう大変でだんだん数が減っていき、今は「一日1首作れたら良いなあ」くらいのゆるい感じで続けています。

短歌の魅力

 作るにあたり、なんとなくお作法は知っていた方が良かろう、と思いまして、いくつか作歌のための本を読みました。なるほどね〜、なんて気楽に読んでいたその一冊の中で、紹介されていた五島美代子さんの歌に衝撃を受けました。

この向きにて初(うひ)におかれしみどり児の日もかくのごと子は物言はざりし

五島美代子

 これは、娘さんを亡くした五島さんが、亡骸を見て、産院で置かれた向きと同じだなと思いながら、でもいま、その向きに置かれた子は、ものを言わない骸になっている、というシーンを詠んだ歌です。

 悲しい、辛い、寂しい、泣いた、そういう感情の言葉は一切ありません。ただ、かつて誕生した日の我が子が、いま同じ向きに置かれている、というのを詠んでいるだけ。たったそれだけなのに、心をえぐられました。たった31文字(この歌は字余りあるので正確にはもっとありますが)で、こんなに人の心をぎゅうと掴んで絞りきるような、本人がいる絶壁に囲まれた悲しみの中に引きずり込むような表現ができるのか、と心の底から驚きました。

 短歌の魅力に取り付かれたのは、間違いなくこの歌だと思います。文語体の格調高さと相まって、胸をわしづかみにされてどこかに投げ飛ばされたようなあまりの衝撃に、そしてその歌に込められた絶叫のような悲しみに心打たれました。

とはいえ、普段は現代短歌を詠みたいし読みたい

 とまあ、和歌が好きだったり五島さんの短歌に魅せられたりしたのもありまして、私も文語体で短歌を書いてみたこともあったのですが、どうにもしっくりこず、また日常の面白さや私の等身大の視線を出すのが難しく、結局口語体の現代短歌を書いています。「なり」とか「たり」とかが使えると、字足らずの時に便利なんだけどつい頼っちゃうしね。

 最近だとこんな感じのものを書いています。

透明で甘くて小さい氷砂糖のような光を拾いあつめる
橋、通るたびに飛び込みたい。私たぶん、ちょっぴり海が足りない。

 まだまだ下手なのですがボツボツ続けていくうちにましになってくるかなあと思ってます。

好きな作家さん

 今のところ好きな作家さんは木下龍也さん

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 この本は「お題を一般の人からもらって書いた短歌を集めた歌集」です。とても良いです。眼差しがおしなべて人類への愛です。谷川俊太郎さんとも交流があり、今、カバーが谷川俊太郎さんへの短歌になっています。素直で、いい人なんだろうなって読んでると思います。私もこういうことがしたい。誰かのために書く歌って、本当に素敵だなあと思います。

そして、同じ木下さんの著書の「天才による凡人のための短歌教室」これはちょっと雰囲気が異なって、未来の天才のために凡人である作者が作歌のために必要な手法を教えてくれる、みたいな本です。

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 作歌のためだけではなくて、むしろ創作活動をする人にはとても勉強になる本なのでとてもおすすめ。漫画を描く人にもきっと参考になるし、小説を書く人にも参考になります。これを読んで、私はとりあえず本屋に行ってたくさん人の歌集を買いました。中に書いてあった「真似をしても真似をしてもはみ出してくるのがあなたのオリジナリティ」というような文章が非常に好きでした。書道もにたところがあって、過去の書聖と呼ばれるような人たちや、先生達の素晴らしい字に近づきたくて、真似て真似て真似て真似て書いているのに、どんなに似せて書いても私の字なのです。ちなみに、私の先生の字は穴が空くほど毎月見ているので、展覧会などで膨大な書の作品が並んでいても遠目ですぐ「あれだ」って分かります。それがオリジナリティ。

 短歌や俳句や、漫画や小説や映画やシナリオや、絵画や彫刻なども、きっとそうなんだろうなと思います。私もそういう「ああこの歌はこの人の歌だな」がわかるような言葉を紡いでいきたいです。
 薄い本なのですぐ読み終わりますが、もう3回読み直しています。創作をする皆様には本当におすすめです。他にも、本屋で見て、いいなと思った個人歌集はまたぼちぼち紹介します。

 ちなみに、Twitterでは短歌を投稿するときに「#返歌ウェルカム」というタグで返歌を募集しています。返歌をつけてくれた人には私から再度返歌をしたりしなかったりします。オンライン即興歌会みたいな感じです。楽しいので是非参加してください。

2件のコメントがあります

  1. ナカヤシキ

    文字少なき歌で心をつなげ合う友と延べゆく美しき途

  2. Tinana

    わあ! 素敵な歌ありがとうございます!
    ナカヤシキさんの短歌の投稿日記も楽しんで拝読しています!( ˘ ᗨ ˘ )

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