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小説をかく、ということについて

 現在「小説になろう」というサイトで、悪役令嬢ものライトノベルを連載しております。

 皇妃なんてごめんですので隣国で騎士になります 〜公爵との恋は予定外でした〜
 https://ncode.syosetu.com/n6593ib/

 悪役令嬢もの好き〜! って方はちょっとのぞいてみてもらえると嬉しいです。強い令嬢が活躍するお話です。書くのがめっちゃ楽しいので暇を見つけてはぽちぽち更新しています。仕事もすげえ忙しいのに、何をやっているんだおれは、って我に返ることもあるのですが、まあ人生の息抜きだからいいんです。アーススターノベル大賞への投稿も兼ねてるので、ワンチャンなんかこう、賞金とかもらえたら良いなって言うよこしまな気持ちもちょびっとありますが、オマケ的な要素です。ほんとにもらえるとはあんまり思ってないしw

 本日は小説を書くことについての意識が激変しましたって話です。

昔も書いていた

 小説、昔から(それこそ20年以上前から)ぽつぽつ書いてたんですけど、誰にも見せてませんでした。夫にすらひた隠しにしていました。別に成人向けとか、人に見せられないものを書いていたわけではありません。他愛ない青春小説とか、ヒューマン小説とか、SF小説とかをちまちま書いては、全く別のペンネームで投稿したりしていた感じです。書かずにはいられないから書いていただけで、誰か知っている人に見せたいとも思わなかったし、多くの人に認められたいとも思っていなくて、一次創作の人たちがこっそり集うコミュニティで、表とは別の顔をして投稿していた感じでした。

 思い返すと、恥ずかしかったんですよね。二次創作物と違って、一次創作は設定からキャラクターから全部自分の妄想から成り立っています。自分の脳みそをさらけ出すような行為なわけです。それに、自分の文章がプロの小説家と比べてたいしたことないのは読めば分かります。構成も甘いとか、そういうのがあとで読み返せば自分でも分かる。何が言いたいのか分からない、とかも。でも書きたいし、書いたら誰かに読んで欲しい。物語を紡ぐというのは、自分だけのひそやかな楽しみで、誰にも邪魔されない世界に入り込める手段でしたし、それを読んでくれる人たちはかけがえのない人たちでした。顔も知らない人たちではありますが。

投稿も結構した

 ハヤカワSFコンテストや、他の短篇などの新人賞にも何度か応募しました。とくにハヤカワは長篇なので、毎年冬に死にながら仕上げ、三月に印刷して桜を見ながら投函しておりました。一度だけ二次選考まで行きましたが、まあ素人が暇々に書いたものですし、そんな甘くない。懲りずに五回くらい出した気もしますが、ほとんど一次選考どまりでした。

 一銭にもならないのに、何十万字もかいて毎年投稿してそのまま捨ててるとか、今思うと正気の沙汰ではないですが、誰でもいいので読んでもらいたかったのかなーという気もしています。なのに「ケッサクを書かなくては」みたいな気負いがすごくて、マジでたいしたことない文章なのにうんうん悩んでました。まあ、賞に出してただけ根性はあったと思いますが、今思うと楽しいから始めたのに、どこがゴールか良く分からなくなってました。年に一回の賞に応募して力尽きてた感じだったし、短篇を気軽に書くとかもなかなかできませんでした。

 今その作品を読み返すと「プロットから練り直せ!!!」って感じで受からないのも当然だなって感想でもあります。感覚を大事にしすぎた結果、ぼんやりとした文章も多かったですし、起承転結のない雰囲気小説だなー、というものも。なんだろう、気取った感じ? よく見せたい、がバキバキに出ている小説。かっこつけてたなあ、と思います。

何故か投稿サイトには投稿しなかった

 読んでもらいたいなら「小説家になろう」とかその他の小説投稿サイトに投稿すれば良かったじゃん、ってのは、今も思いますし当時友人にも言われましたが、何となく雰囲気が合わなさそうなので敬遠していました。何投稿してもいいサイトなので雰囲気もクソもないんですけど、当時は(まあ今もか)ラノベ系全盛期で、長文タイトルといい、ノリの良さでぶっちぎっていく物語といい、書けそうな作品のノリが違いすぎて「投稿しても場違いすぎるでしょう」みたいな気持ちだったんです。こう、クラスの隅っこで詩を書いてる人がいきなり演劇で踊れって言われたみたいな気持ちって言うか……。私には無理感w

 なろう系を馬鹿にしていた、というよりも、あの頃は単純に舞台に上がる勇気がなかっただけ、です。あの場所で戦える物語を紡ぐ自信がなかった。たぶん。

書かなくなってから悪役令嬢ものと出会った

 んで、ここ5年くらいは前職も含めて超絶激務でして、転職してからも仕事に忙殺されておりました。なので、小説を書くことはもちろん、いわゆる文芸系の小説はときどき気が向いたら読む、みたいな感じに。長篇小説を読む時間と体力がなくなってしまって、一日一話無料で読める系のアプリでぽつぽつと小説や漫画を読むことが多くなりました。その流れでなろう系ラノベとか、ラノベのコミカライズとかをたくさん読むようになって、面白いじゃん、と今さら再発見。

 まあ、もともとスニーカー、コバルト、ティーンズハートなど、ラノベノンジャンル乱読で育った身ですゆえ、別にラノベが嫌いなわけではありません。特にここ5年くらいで一世を風靡している悪役令嬢ものは、たぶん数百作という単位で読んでいると思います。

 悪役令嬢ものって、いくつかパターンがあるんですが、お約束は3つです。

  • 敵がいる
  • なんやかんやあって敵をぎゃふんと言わせる
  • 必ずハッピーエンド

 このお約束、見たことありませんか? そう、水戸黄門です。悪役令嬢ものは、現代の女子に大人気の、水戸黄門なのです。パターン、決まっています。バッドエンドはありません。絶対にハッピーエンドです。敵は必ずぎゃふんと言わされます(ざまぁとも言います)。分かってる、分かってるんだよ。でも楽しいし面白いの。めちゃくちゃ読んで、その中でも自分が大好きなタイプの悪役令嬢がいることを認知しました。

私が好きな悪役令嬢を書きたい

 私の好きな悪役令嬢は、この3つです。

  • 強い。絶対です。体が弱いみたいな設定でも、芯が強い。折れません。踏まれても起き上がってくる麦のようです。あまりうじうじしません。
  • 悪に敢然と立ち向かいます。ヒーローそっちのけで大活躍ヒロイン。美味しいです。
  • 努力家です。

 で、これらを満たす小説を死ぬほど読みあさりました。人気ジャンルというか、割と王道ヒロインなので、満たす小説めちゃくちゃあるんですけど、ふと、ピッコマノベル大賞の「悪役令嬢もの小説募集」を見て、私の理想のヒロインを主人公にして小説が書きたくなってしまいました。

 仕事? 全然暇じゃないです。むしろ忙しくなっています。でも、書けそうな気がする……在宅勤務だし……。というわけで、無謀にも書き始め、順調に書き進んでピッコマノベル大賞さんには応募完了してしまいました。これはクローズドの賞だったので、途中、読んでくれそうな友人に声をかけて読んでもらって、感想や直した方が良い場所のアドバイスをもらったりしたんですけれど、応募完了したあとは選考待ちで暇なので、じゃあ別の小説を書いて、以前は出す勇気がなかった「小説家になろう」に出してみてもいいかも……? って思って、早速新しいプロットを組み立て、投稿し始めることにしました。

アホみたいに楽しい

 これがアホみたいに楽しいんですw 自分の好きなキャラクターが好きなように活躍していくの、めっちゃ楽しい。書くのがつらくない。展開が重くない。危機に陥っても絶対助かる事が作者だけじゃなくて読者も分かってるので、ありきたりすぎる引きで1話終わらすのもお約束みがあって楽しい。
 展開が決まっているので、読ませどころは中間部分です。なんやかんやあって敵をぎゃふんと言わせる、の、「なんやかんや」の部分を工夫するのが醍醐味。あとはキャラクターの細かい性格付けも。ヒロインはともかく、ヒーローはスパダリじゃないといけませんので、容姿の書き込みや服装の想像も重要です。

 でも、全体的に楽しいのです。気負いがない。ケッサクを書こうっていう気負いがぜーんぜんなくて「どうだこれが私の大好きな悪役令嬢だ!!!」って感じです。いいのありきたりでも。いいのどこかで見た展開でも。だってだいたいの悪役令嬢もの、どこかで見た展開なんだもの。

 あとは、最初は読んでもらえなくてもいいや、くらいのつもりで始めたんですけど、ブックマーク1つついただけで「よっしゃ次の話書くか!!」みたいな気持ちになるのが我ながらゲンキンです。ブックマークは減ることもあるので気にしすぎないように……とは思いつつ、増えているのを見るとニマニマしてしまいます。どこかに私の話を気に入って読んでくれている人がいるんだなあと思うだけで幸せです。

 楽しくて幸せなことをやって、それが誰かに見てもらえるってのは、本当に嬉しいことだな〜と思ったので、そんな事を今日は書いてみました。昔の恥ずかしがってた自分、自意識過剰だったよなあ、ってナデナデしたいです。

 読んでくださってる方がいらしたら、伏してお礼申し上げます。続きも楽しんで書きますね〜!

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