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TOEIC400点代からの英語学習

 先日英語について「もともと得意だったのかと思っていました」と言われたので、全然得意ではなかった私が外資系企業で普通に仕事できるようになる(なってると思いたい)までの英語学習の話をしようかと思います。

 私は小学校から英語塾に通っていたにもかかわらず中学の頃から英語が苦手で、嫌いで、高校でも何とか赤点を取らないレベルで、大学受験の時には英語の加点が少ない大学をわざわざ選んで受験し、受験が終わったらほぼ触れなくなり、院に進んだりしたわけでもなくふつうに日本企業に就職したため英語は全く必要なく生きてきました。何度か転職しましたが、ほぼずっと英語は不要の職場でした。
 ただ、自分にとって英語が苦手なことはなんだかずっとやり残した宿題みたいなもので、ずっと「せめて外国人観光客に道を聞かれたときに道案内ができる程度にはなりたい」とは思っていました。でも、旅行英会話って今振り返ると結構高いハードルなんですよね。知ってる簡単な単語をつないでジェスチャーで押し通す、みたいなことはできても、文章が頭からスルッと出てくるようになるのには、ある程度の語彙と文法が身についてないと無理。そして文章で伝えないと要求がうまく伝わらないというのも、これまで何度か海外旅行で思ったことでした。
 でも、嫌いで苦手で避けて通ってきた英語を、あらためて「単語や文法からちゃんとやり直そう」と思うのはなかなかにハードです。コツコツやればそりゃ何とかなるんでしょうが、1人で富士山に登るような気持ちで、やだなあ、なんとか車に乗って上るみたいな近道ができないだろうか、と「簡単英会話」や「簡単英文法」や「これだけやれば大丈夫!」的な本を買っては本棚のこやしにすることを繰り返しておりました。

 まあこのまま英語できなくても死ぬわけじゃないしな、とずるずる先延ばしにしていた4年前くらいから、ちょっとした転機が訪れます。前職の数少なかった外資のお客様に英語の資料を提出したり、日本企業だけれども海外の工場やお客様に取材に行くための、取材の趣意書などを英語で作ったりするイベントがぽつぽつ発生するようになりました。自分なりに作ってみたりしたのですが、課長に見せたところほぼ全部書き直されるレベル。「あのね……。文法が全然ダメだね」ってバッサリ言われたこともあります。
 まあ前職では英語ができない人が大半だったので(課長と部長はたまたま英語得意でしたけど)、できないからっつって首になるとか評価が下がるみたいなことはなかったんでしょうけど、お客さんと相対してる時に「全然わかりません」ってヘラヘラしてられる年次でもないし、これはちょっと一念発起するべきでは? と思いまして、それでも単語や英文法をきちんと学び直すことは避けたい気持ちで、オンライン英会話を契約しました。(逃げている) でも自分的には結構高い投資をして逃げ場を塞いだつもり。それが4年前の秋。

 最初はマジで知ってる単語を羅列するくらいしかできず(しかも語彙が中学生レベルなためまともに発言できない)、レベル分けされているにもかかわらず先生の言っていることが半分も分からず、自分のレベルの低さに改めて愕然。最低限の語彙は身に付けるべき、と思ってまずめちゃくちゃ基礎の中学英単語を平行してやり始めました。英検3〜4級レベルの超基礎単語ね。流石にこれはだいぶ知っていたので、そこから「金のフレーズ」にレベルアップ。初級の600語で結構知らん単語があるのが衝撃w

 そんなレベルでしたが、なんとかかんとか半年以上経った頃には、多少なりとも会話ができてるんじゃなかろうか感が芽生え、語彙も増えてきた感覚があったので、いっちょTOEICでも受けてみるかー! と受けたところ、450点でした。私の点数……低すぎ……?! まあでも大学の頃受けたときには300点代だったしな。多少は前進してるんだろう、と自分を慰める。(今考えると全然慰めにならない)
 内訳を確認したところ、まあ文法と語彙がボロボロなわけです。リスニングはリーディングに比べるとマシで、270点くらい。リーディングが180点くらい。リーディングの正答率、50%以下。
 これは課長に「文法全然ダメ」って言われるはずですよ。そりゃな。壊滅的。むしろ良く受験乗り越えて大学入れたよね。英語の加点が低い(センター重視でない)大学を選んだだけあるよね。そこから20年ほぼ英語に触れずに生きてればこうなるってことなのかー、としみじみ自分にダメ出し。多少なりとも英語に触れたところで実力がつくわけじゃない。慣れただけで。

 とはいえ、じゃあそこから真面目に勉強するかというとそれほど力を入れるわけでもなく、1年くらいはだらだらとオンライン英会話と単語をやりつつ、仕事は何とかこなしていきました。お客さんも純日本企業に完璧な英語の資料を求めたりはしませんし(期待してないから)。その間、どちらかというと話す事に抵抗をなくすこと、語彙を増やすことを中心に音読やラジオ英語(NHKさんお世話になりました)でリスニングの練習、瞬間英作文で即興の英作文力をつける、英語耳で綺麗な発音を意識する、などにとりくみ、1年くらいで500点くらいをうろうろする感じに。
 語彙数は上がったけど、文法がやっぱ全然ダメで、文法問題で点を落とすのと、文法が分かってないから長文に時間がかかりすぎているんだなと思い、いよいよあきらめて英文法に取り組むことにしました。

 とはいえ、英文法のテキスト買っても自習が進まず、なかなか良い方法に出会えずだったのですが、1年半くらい前にこれまで有料でどうしようかなと思ってきたスタディサプリ(TOEIC対策)の会員登録に踏み切ります。スタサプは動画の講義の質が非常に良く、隙間時間で学習し直しができるのでこれはとても良かった。あと文法が全然分かってなかったんだなというのを改めて実感しましたw
 半年くらい続けてきて、600点代に乗ったかなくらいの2年前頃、転職活動を再開。600点くらい今ある、プラス、今後も勉強する意志がある、というところで外資系企業も候補に入ってきました。英会話は、まあ、日常的な会話での意思疎通はできるけどあまり流暢とは言えない、くらいのレベル。ただ、英語耳のおかげで発音は(日本人の割に、がつくと思うけど)綺麗と褒められることが多くなりました。

 で、1年前の9月、現職のオファーがスカウトの会社からやってきました。そこまでいろんな会社に面接行ったり書類を出したりしましたが、文化が合わない、年齢が合わない、こちらの希望が合致しないなど、お互いにお見送りの数々。こちとら氷河期まっただ中のロスジェネ世代、職があるので別にへこたれはしないけど「このまま今の会社にいるのが吉ってことかなー」と思い始めていました。現職も「まあたぶん、年齢でまたふるいおとされるかなあ」なんて思いつつ記念受験くらいのつもりで受けた(そして面接大変だった)けど、運良くこれまでの仕事のスタイルと会社のカルチャーがそこそこ合っていたことが幸いして、入社することに。
 ですが、アメリカベースの当社、いくら面接の時に「インドのチームとのテキストベースのやりとりができたらいいです」「英語にアレルギーがなくて勉強する意志があるならOK」と言われてたとしても、そうではなかろうな、ついて行けるかかなり不安……と思いまして、半年だけスタサプのパーソナルコーチプランを契約することにしました。

 これは結果的に大変良い選択だったと思います。パーソナルコーチに叱咤激励され、毎日1時間という独習だと絶対にできなかった勉強時間を確保し、定期的な模試や理解度のテスト、電話面談などで苦手を潰していくことができました。また、契約して1ヶ月後くらいに現職につくわけですが、想定していたとおり初っぱなから英語まみれの環境が待ち受けており、これも勉強しないと首になるかもしれないという「前門の虎後門の狼」状態を作り上げ、前門の虎を倒す(英語を克服する)しかない……!! という進退極まった状態。いやもう、ホントに、必死でしたね……(振り返る。

 残念ながらパーソナルコーチプランの契約中は、コロナの影響で全ての試験が中止になってしまい、一度もTOEICを受けることはできなかったのですが、最後の模試では830点を獲得。今はいつ当たるか分からないTOEIC抽選会に申込をしてるところです。(第1回はハズレた)

 TOEICで高得点を取れても「取れたんだ〜」って自慢できる環境ではまるでなく、最近入ったグローバルチームでの会議で自分の英語で話すことができない(聞くことはできるけど、流暢に話せる人に日本語で話して訳してもらっている状態)ため、「やっと最低限仕事の足を引っ張らない程度について行ける状態になりました」って状態で達成感はやや薄いですが、最初の低得点を久々に振り返ると「案外アラフォーでも本気出せばやれるんだなあ」って気持ちです。

 英語を避けまくっていた高校生の時の自分に、あんた40歳でなんと外資系企業に転職して英語まみれの仕事になるよ。って言ってもきっと「嘘でしょ」って鼻で笑うと思いますけど。英語がスペシャルできなくても、幸いにもここまで続けてきた仕事の経験のおかげで、もらうばかりでなく周りの人のサポートができているのは、自分にとっては救いです。仕事でも教えてもらうばっかりで、更に英語ができないって状態だと、ちょっと仕事が辛くなっちゃうと思うからね……。

 入ったあとの試練は続いており、7月には上司の上司がイギリス人になり、書類や連絡事項がほぼ全部英語になったほか、週のレポートやログの記録が全部英語になり、また英語での1対1の面談が発生し、ウェルカムパーティも全部英語で話すという極めて自分的ピンチな状態です。
 でも、英語メールにもはやビビらなくなり、インドからのチャットは即レスできるようになり(まあ質問が来る内容や返さないといけない内容がだいたい決まってるってのは大きいですけど)、講義や会議で非ネイティブ向けにきちんと留意されゆっくり話してくれる英語はあまり不安なく聞き取れるようになりました。(そして意味の取り違えも少なくなった)
 グローバルで新たに導入されるサービスのテストの担当に手をあげ、会議からテストまでもちろん全部英語、何か困ったことが起きたら英語で質問、問題の解決報告も英語、みたいなことにもチャレンジしていますが、面白い事が多いのでとてもやりがいがあり、楽しいです。大変なことももちろんありますけど。

 やれることがひろがると、40代でも世界は広がるし、新しいチャレンジもできるんだな、という発見でした。

 長くなってしまったので、テキストや本の紹介はまた今度。https://note.com/embed/notes/nfb93cb8bbdea

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